肺 結 核 後 遺 症HOT-2801
 
病態  肺結核が治癒した後に続発する合併症で、主病態は呼吸不全と、これに関連する肺性心および肺感染症です。肺結核発病から呼吸不全発症までの期間は約25年であり、高齢者肺結核後遺症による呼吸不全は、年々減少していますが、依然として、在宅酸素療法(HOT)原因疾患として第二位を占めます。
 主症状は、徐々に進行する労作時呼吸困難ですが、あるときから急に息切れが強くなった場合は、肺性心に伴う心不全の合併を疑う必要があります。
肺結核後遺症では、他の呼吸器疾患に比べ、心合併症、特に肺高血圧の頻度が76パーセントと高くなっています。(厚生省特定疾患呼吸不全調査研究班、平成7年度研究報告書)

原因

肺結核後遺症による呼吸機能障害は、拘束性障害(肺活量の低下)が主で、その原因は次のとおりです。

  Ø        広範な肺実質の病変,
  Ø        肺切除術、胸郭形成術による肺活量の減少、
  Ø         胸膜癒着・肥厚、胸郭変形による肺のコンプライアンス(ふくらみ)の低下、
検査 実施すべき検査としては、胸部X線、呼吸機能検査(特に、肺活量、一秒率)、動脈血ガス分析(覚醒事の高炭酸ガス血症は、夜間の低換気と低酸素血症を反映)、心電図などです。

治 療  1・急性期の呼吸不全、急性増悪の治療
◎急性増悪では呼吸不全が悪化している場合が多いので、まず低酸素血症に対して酸素療法を行います。
◎2型呼吸不全の患者が多いため、CO2ナルコーシスも懸念されますが、長期の低酸素血症のほうがより危険なので、まず酸素投与を優先します。
◎急性増悪の原因の過半数は呼吸器感染症であり、抗生物質による抗菌療法を行います。
◎急性増悪によって、高炭酸ガス血症が進行した場合は、人工呼吸管理が必要になります。
◎最近では、挿管に先立って、まず鼻マスクによる非侵襲的な人工呼吸の有効性が確立しています。
       (Non-invasive Intermittent Positive Pressure Ventilation :NIPPV)

治 療   ・呼吸不全慢性期、安定期の治療
 
◎治療の原則は、日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)の維持と急性増悪の予防です。
◎従って、まず呼吸不全に対して長期酸素投与を行います。
◎肺高血圧症の悪化や心不全は、呼吸不全にも悪影響を及ぼすので、ジギタリスなどの強心薬による心収縮力の増強、カルシュム拮抗薬・ACE阻害薬などの血管拡張薬による前負荷・後負荷の軽減、心保護などの管理を継続します。定期的に、心エコーで、左房径・心収縮能などを把握しておく必要があります。
◎また、予後改善の点から、栄養状態がよいことが重要ですので、高蛋白な食事に留意し、食欲不振例には経腸栄養剤なども考慮します。

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